## 記事サマリ
・建設コスト高騰や竣工遅延、人口減少や相続物件増に伴う郊外の需給乖離により、不動産価格の二極化が進む。
・株価上昇の恩恵を受ける都心一等地は、富裕層資金に支えられ株価と連動して地価が上昇する一方、金利上昇はこの格差を助長する。
・従来の不動産高騰の背景には金融の存在があったが、中東情勢の緊迫化を背景にその前提環境が変化している点に留意が必要である。
## 感想・考察
不動産価格の高騰は、融資の拡大と地価・担保価値の上昇による信用創造に加え、株価上昇に伴う富裕層や海外資金の流入といった、金融の力に支えられてきた。
しかし、中東情勢の緊迫化や金利上昇などの環境変化により、市場は二極化と構造転換の局面を迎えている。
都心一等地は潤沢な資金に支えられ高値を維持する一方、郊外では人口減少や相続に伴う過剰供給から下落幅が拡大しやすい。
また、建設現場での人件費上昇や人手不足による新築価格の強い下方硬直性により、価格調整は需要の低い郊外や中古物件から先行して進行する。
今後は、金利上昇に加え修繕積立金などの維持コスト増加が家計を圧迫するため、不動産の評価軸は単なる「購入価格」から、中長期的な「保有・維持コストを含めた実質的な価値」へとシフトしていくと考えられる。