## 記事サマリ
・地銀3行による移住ローンが約9カ月で123億円(350人、平均約3,514万円)の融資を実行。
・移住人気と銀行の資産規模を比較すると、静岡・長野の2強が実績を牽引している実態が推測できる。
・「富士山・アルプス」という広域の看板を掲げることで、1行では作れない大きな注目を集めることに成功した。
## 感想・考察
静岡銀行、山梨中央銀行、八十二長野銀行の3行が展開する「移住者向け住宅ローン」が、約9カ月で350人に計123億円(1人平均約3,514万円)の融資を実行した。勤続年数要件の撤廃や返済猶予など、移住者の悩みを解消する優れた商品設計がヒットの要因である。
しかし「3県・3行の共同実績」という公式発表の裏には、別の実態が推測できる。
第一に「移住人気」の差だ。NPO法人ふるさと回帰支援センターの「移住希望地ランキング(2023-2025)」を見ると、静岡と長野は全国トップ3を争う移住大国だが、山梨は母数に明確な差がある。
第二に「銀行の総資産規模」の差。静岡銀(約15兆円)と八十二長野銀(約13兆円)の巨大地銀に対し、山梨中央銀(約4.5兆円)は企業体力に大きな開きがある。この市場規模と体力のデータから、実績の大部分は需要と資金力に勝る「静岡・長野の2強」が牽引した可能性が高い。
ではなぜ山梨を含めたのか。大手地銀側は「富士山・アルプス」という広域ネットワークの看板で単独以上のPR効果を得て、山梨側は自社単独では難しい大規模キャンペーンに相乗りできる。表面的な数字の裏には、互いのメリットを最大化した巧妙なアライアンス戦略が隠れているのではないか。
参照:
静岡・山梨中央・八十二長野、移住者向けローンが100億円突破