万博パビリオン工事費未払い問題 下請け業者直撃
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## 記事サマリ
・大阪・関西万博の海外パビリオン建設で、下請け中小業者への工事費未払いが相次ぎ、問題が深刻化している。
・被害額は総計で数億円に達しており、資金繰りの悪化により廃業の危機に直面する業者も出ている。
・万博協会や国は「民間同士のトラブル」として介入に消極的であり、被害業者が救済を求めている。
## 感想・考察
国家プロジェクトである大阪・関西万博の裏側で、多数の海外パビリオン建設において、下請け業者への工事費未払いが常態化している現実は、建設業界全体の信頼構造に関わる重大な問題である。資材高騰や工期遅延が背景にあるものの、その負担が最終的に資金力の弱い中小・零細業者に集中している構図は、極めて不公平であると言える。
この問題の本質は、多重下請け構造の弊害が極端な形で現れた点にある。海外の元請け企業が間に入ることで支払いの流れが不透明になり、「誰が責任を取るのか」という監督責任が空洞化している。外壁塗装やリフォーム業界においても、元請け・下請けの関係は事業の根幹であり、適正な価格設定と期日通りの支払いが何よりも重要であることを再認識すべきである。
万博の事例は、短納期や不透明な契約条件で突貫工事を進めることのリスクの大きさを実証した。この業界の担当者としては、目の前の利益を追うあまり、安易な発注元や不適切な契約に手を出さないよう、より一層の契約精査とリスク管理を徹底する必要がある。また、公正取引を遵守し、サプライチェーン全体で信頼を築くことが、結果として業界全体の健全性を守ることにつながるだろう。
参照:
『万博・閉幕後に新たな危惧 「解体工事」めぐる“未払い”…業界団体が「絶対起きる」と指摘するそのワケは? 博覧会協会が発注の工事で“費用の未払い”発覚 協会に相談するも「立ち入れるものではない」との返答』
https://news.yahoo.co.jp/articles/5286466e106c6acb6eb627f98ba9708e3119bbd4